お盆

 盆踊りの由来をご存じでしょうか?
元々は、お盆の季節に家へ戻ってきた先祖の霊を楽しませるため、人々が集まって皆で踊りを踊ったことから来ていると言います。
お盆だからといって、しめやかに家の中でお線香を上げるだけが、お盆ではなかったのですね。

そしてもうひとつ、夏になれば欠かせないのはお祭りです。お祭りで担ぎ出されて、わっしょいわっしょいされる「おみこし」は、漢字で書くと「御神輿」つまり神様の乗り物ということです。
お祭りの中心もやはり神様なのです。

今の世の中では神や仏への感覚というのは昔とはだいぶ違ってきていると思いますが、私達日本人の身体の中には、古くから、神や仏、そして自然の中に溢れている精霊達と共に生き、共に楽しむという心が息づいているのだと思います。
人は一人で生きているのではない。人間は人間だけで生きているのではない。
神や仏は私達を生かしてくれている自然の力が姿を持って現れたものです。

今、環境を大切にという言葉は現代のお題目のようになっていますが、私達のご先祖様は、周りの自然の中の一部として人の社会があり、その中で自分が生きていると言うことを、理屈ではなく、なまの身体的な感覚として持っていたのではないかと思います。
”いのち”が燃え立つ暑い夏、ご先祖様の魂に触れ、大きな自然の一部である自分の”いのち”の感覚を磨いてください。

住職合掌

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