もったいない

 物を大切にしなさい。
これは良く私達が子供の頃から親に言われてきたことです。
しかし、今は効率優先の世の中、使い捨ての物があふれている世の中で、物を大切にしようと言ってもなかなか難しい面があります。
先日、10年位使っていた冷蔵庫が壊れました。
電気屋さんに見てもらうと直せますけど買った方が安いですよという返事。
直せれば直したいなと思っていたのですが、結局、買い換えることにしました。
電気製品に限らず、大概の日用品は壊れたら直すよりも買い換える方が普通になってきています。たまに直して使いたいなと思っても、直せる職人さんや技術を持った人が少なくて思うに任せないのが現状です。
物を作り出している企業は利益を上げるために存在します。
古くなった製品をどんどん捨て、新しい製品を次々に買ってもらえば利益が上がるのは当然ですが、このサイクルはエネルギー&資源の大量消費と大量の廃棄物を出すことになります。
いまは全世界を上げての環境保護の時代。
もっと直して使うという考え方を企業自体が取り入れても良いのではと思います。
企業は収益が上がればいいわけです。
製品を修理しやすい構造にしたり、「もったいないサポート」窓口のようなものをつくったりして、直せる物は直して使うというエコを前面に出したアピールをすれば、会社のイメージ向上に寄与し、ひいては増益にもつながっていくのではないでしょうか。
消費者も修理代について応分の負担は理解出来るのではないかと思います。

「もったいない」という言葉、その心は物の命を最大限に生かし切ると言うことだろうと思います。
私達を包んでくれている山や河や海などの自然にも命があり、その一部を使って私達が作り出す様々な物にも命があります。
その命を粗末にせず最大限に使い切ろうという精神は、私達自らの命を大切にし、他人を命をも大切にし、人生を丁寧に生きることに繋がっていくのではないでしょうか。
「もったいない」という言葉とその心、大切に致しましょう。
住職合掌

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