止静

 今年の夏は大変な豪雨が各地であり、山崩れ等でたくさんの方が亡くなられました。
幸い当山のある関東では大きな被害はなかったようですが、今年2月の観測史上初の大雪では大変な被害を被りました。
異常気象の連続という感じで、言われているように確かに地球の気候が変わってきているのかもしれません。
人間に都合の良いように変わってくれればいいのですが、現実はどうもそういう訳には行かないようです。
お釈迦様は、人生は思い通りにならない。だから苦しみが生まれるのだ。と説きましたが、全く仰るとおりで、人は都合の良いことはすぐ忘れ、都合の悪いことを苦にし、悩みます。
人間の本質は何千年経っても変わることはありません。
その苦しみを無くすにはどうしたらいいのか?

私が子どもの頃、寺の玄関の壁に一枚のポスターが貼ってありました。
柔和な観音様の写真に添えて「もろびとよ ここに道あり 心は風にさわげども しばし静かに坐るなり」と書かれていました。
子供心に当世風に言うと癒されるような感じがして、なんとなくこのポスターが気に入っていたように覚えています。
坐禅は気持ちを落ち着け、心を整えてくれます。
生理的にも体に良い影響を与えてくれます。
思い通りにならない人生の苦しみを全て無くしてしまうことは出来ないかもしれませんが、坐禅は心を柔軟にし心の基礎体力を養ってくれます。
心も体も同じ、体力が有れば病気にもかかりづらくなります。
苦しみはあったとしても、それを乗り越える心の力を坐禅は与えてくれると思います。

暑さ寒さも彼岸まで、季節は次第に秋へと変わっていきます。
少し暑さが収まってきたら、お寺でちょっと坐禅に挑戦!というのはどうでしょう?
毎週日曜朝、お寺では坐禅会を開いています。
一度だけ体験してみたいというのでもOKです。
ご参加お待ちしています。いらっしゃる前にお電話御願いいたします。
住職記

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