節分
スマホをいじってポンと触れば次の日には頼んだものが届き、コンビニに行けば日常生活の大概のことが出来てしまう今の日本の世の中、便利なことは大変結構なのですが、いつでもどこでも同じことが同じように出来てしまって、日常生活のなかから生活感や季節感が希薄になってきているように感じます。
そして、少しずつ節分などの伝統的な季節の行事が省略されたり簡素化されたりといった傾向があるように思います。
一年中同じようなものを食べ、どこでも同じスタイルで生活していくというのもストレスフリーで良いかもしれませんが、やはりメリハリというか形も大切であると思います。
節分などの伝統行事は季節の節目、節目はまさにメリハリそのもの。大切にしなければいけないと思います。
ところで節目の”節”という字の上の部分は竹かんむりです。なんとなく字全体で”竹は即ち節”と読めなくもありません。
名が体を表しているようですが、竹は節を持っているものの代表格です。細くて軽く曲げてもしなやかに元に戻ります。
なぜあれほどしなやかなのでしょうか?
それはあのたくさんの節があるから。
もしあのたくさんの節が竹になかったなら、曲げたときにすぐ割れてしまうことでしょう。
節目があってこそ、竹もひいては人も更には人の世の中も柔軟で丈夫になれるのではないでしょうか。
お正月から始まり、節分、ひな祭り、お彼岸、端午の節句、七夕、お盆etc. 挙げてみると沢山ありますが、是非季節の伝統行事を大切にして頂けたらと思います。
さて、今年の節分で追い払わなければならないのは鬼よりもコロナウィルスという魔物。
自分で出来る限りのコロナ対策をして、そしてその上で魔の芽(まめ)が二度と再生しないよう豆を良く煎って、天魔覆滅・疫病退散の祈りを込めて地球の空気にぶつけましょう。
人事を尽くした後は、祈りこそ人の心を綺麗にまっすぐ保持してくれる最善のものだと私は思います。
住職記
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