雲外蒼天

 5月は、ゴールデンウィークで始まります。
そして5日は端午の節句。
最近住宅事情の変化故か大きな鯉のぼりはあまり見かけなくなりましたが、お寺の隣の保育園の庭ではこの季節毎日昔ながらの大きな鯉のぼりを上げています。
空に吊された鯉たちは風のある日は元気よく空を泳いでいますが、時季的に穏やかな日が多いので大概は静かに揺れながら空を見上げています。
さて、昨年に続き今年もゴールデンウィークはコロナウィルス流行によりお出かけ自粛となってしまい、どこにも連れて行って貰えない子供達がたくさんいることでしょう。
鯉のぼりと同じで静かに空を見上げるしかやることがありません。
不憫ではありますが、仕方がありません。
大人にしてみると出かけられないと嘆いていられるのはまだ良い方で、飲食店の方などコロナウィルス対策の影響で仕事にならなくなってしまい頭を抱えている人達がたくさんいると思います。
昨年このコロナウィルスが流行し始めた頃はまさか1年経ってもこの状況のままだとは殆ど誰も予想してなかったのではないでしょうか。
人生はハプニングがつきものではありますが、まさか地球上の誰にとってものこの大きなハプニングがこれほど長く続くとは人生の先は読めないものです。
しかし、始まりのあるものには必ず終わりがあります。
このコロナウィルスの流行もワクチンの世界的な普及に依ってか自然にかは分かりませんが、いつかは必ず収束します。
表題とした雲外蒼天(うんがいそうてん)という言葉は特に仏教用語ではありませんが、今苦しくてもその先には蒼い空が広がっていると言う意味で、今心に留めておいても良い言葉かなと思い取り上げてみました。
雲の中というのは霧の中にいるのと同じで周りはよく見えないし、体はいつの間にか湿ってきて寒いし、不安で嫌なものですが、その外に出れば真っ青な透き通った空がそこにはある。
このコロナウィルスの流行も先行き不透明で不安であり、行動にも制限があってなんとも窮屈で嫌な毎日ですが、でも必ず終わります。
終われば元通り出かけることも出来るし、大人数で集まることも食事も出来ます。
元に戻ります。
その日が早く来ることを願って、今の不自由な生活にもうしばらく我慢して参りましょう。
どうかコロナウィルスの流行が早く収まりますように…合掌。
住職記

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