日々是初日
私(住職)は先日還暦を迎えました。
六十歳など全く人ごとだと思っていたのですが、いつの間にか自分がなってしまったというのが正直な感想です。
かつて長嶋茂雄氏が自らの還暦のお祝いの席で『初めて還暦になったのでよく分かりません』という名言(迷言)を残しておられますが、これは実際名言であり至言でもあると思います。人は人生を一度しか生きることが出来ません。
還暦のお祝いをしたり、還暦になった人の感想を聞くことはよくあっても、結局自分がその還暦になるのは人生一度きり(正確には百二十歳で二度目の還暦ですが…)。
まったくもって「初めての還暦」とはその通りだなと思います。
結局人生の諸々のことは、その現実を自分で体験してみなければ分からないのだなとつくづく思います。
人生は聞いたり見たりしたことはあっても自分自身としては未体験のことの連続です。
毎日毎週毎月そして毎年同じような生活の繰り返しが続いていると、日々起こる物事への感覚が鈍くなってしまいますが、よく考えてみれば一日一日は毎日違いますし同じ日はありません。
未知の経験の連続が人生であると言うことも出来ると思います。
朝、太陽が昇ってきて一日が始まります。
太陽が同じように昇ってきたからと言って、自然に昨日と同じ一日が始まるわけではありません。
同じように感じるのは人の心がそう感じているだけ。
同じように感じていた方が心のエネルギーを使わず楽だからかもしれません。
現実は日々全てが違います。
毎日が新たなこれまでにない一日。
初めての還暦ということは、初めての六十歳ということ。
次の年は初めての六十一歳です。
八十歳になっても九十歳になっても常に初めての連続が人生。
現実をきちんと見つめ、日々新たな気持ちを大切にしていきたいなと思います。
以上、還暦を迎えての所感であります。
住職記
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