お蔭さま
常仙寺のある群馬県高崎市は内陸にあるためか夏は全国でも屈指の猛暑地帯になっており、夏の日中に外に出るとなにかサウナの中に入ったような感覚を覚え、しばらくそのまま屋外にいると頭がクラクラしてきて身の危険を感じます。
そんな暑さでも境内にある大きな桜の木の下に入るとずいぶんと暑さが和らぎ、直射日光が当たらないだけでこんなにも違うのかと思います。
強烈な直射日光を浴びても木に繫った葉はしおれた様子もなく青々としており、静かな涼しい木蔭を作ってくれています。
人間であれば何もしないで1時間も今の時期の直射日光を浴びていれば命に関わる事態になるかもしれないのに、植物ってすごいなと心底思います。
考えてみると、植物はこの強烈な太陽の光を浴びて今温暖化で問題になっている二酸化炭素と水から、生き物に必要不可欠な酸素と栄養を作り出しています。
ですので、樹木を含む植物は地球の生命の命の源であり命の綱ともいえます。
世の中で人間の活動による二酸化炭素の排出の増加が問題になっていますが、人間の出した二酸化炭素をせっせと吸収して酸素に変えてくれている緑(植物)がこれまた人間の活動によってどんどん地球上から消えて行っているということは非常に大きな問題だと思います。
私たちの吸う空気と食べ物(栄養)を作り出してくれているわけですから、ある意味緑は私たちにとって地球上で一番大切な存在。
「おかげ」という言葉は元来は神仏などの偉大なものの陰でその庇護を受けるという意味だったそうです。
「蔭」という漢字は、草冠に陰と書きます。
まさに草のおかげというのが漢字の由来。
燃えるような暑さの夏ですが、そのなかで青々と繁り私たちを当たり前のように支えてくれている緑(植物)に対し、「お蔭さまで有難う」という気持ちを持つべきなのではと思います。
環境を大切にと言われますが、まずは自分の生きている環境に対し有難うという気持ちを持てないと、なかなか実行できないのではと思います。
人が屋外に出るのをためらうような強烈な日差しの中、しおれることなく青々と葉を茂らせている庭や街中にある樹木を改めて眺めてみましょう。
生命の力、緑の力ってすごいなと感じられないでしょうか。
そのすごい力で私たちは生かされています。
自然の力に感謝です。
住職記
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